丸太杭を用いた地盤補強工法
軟弱地盤対策・液状化予防対策に
丸太杭工法は大きな成果を発揮します!
丸太杭基礎の概要
「丸太杭を用いた地中の森工法」は、構築物を支えるための地盤補強工法で、丸太杭を介して円滑に地盤に伝達させることができ、また地域材のさらなる用途が期待されています。
背景
・新たな需要先として、建設分野での丸太杭の利用が期待されています。
・経緯と実績がある地盤中の基礎木杭としての技術が、改めて見直されています。
・丸太杭による地盤補強に必要とされる設計方法などの技術資料や現場施工と管理基準などをまとめました。
目的
・地盤補強が必要な条件は丸太杭の特徴の合致していることが多く、適用可能なフィールドは無現に存在しています。
・地域材の積極的な利用と用途拡大をはかることを目的として、丸太杭による地中の森工法が必要なのです。
効果
【適材適所】
・建築用途などの高品質材でなくても、丸太杭としての用途に適用していれば十分基礎補強の丸太材料になりうる。
【山林還元】
・地域林業と協同する仕組みのため、丸太杭を地中に打込むほど、健全な林業経営に貢献できる。
丸太杭基礎設計の考え方
丸太杭基礎の設計では、建築物の荷重データや地盤データ、施工現場の敷地状況および搬入路の状況、それに使用する施工機械の性能に加えて、杭頭と常水面深さとの関係などの確認を行い総合的に判断し、設計を行います。施工完了後には、載荷試験によって長期許容鉛直支持力を確認することが望ましいといえます。
※基礎木杭設計指針より抜粋
丸太杭基礎の適用条件
地盤補強に丸太杭を消費することは、「地中の森」を形成することにつながり、いきいきした地域林業に結びついていきます。
※小規模構造物設計指針等から一部引用
丸太杭の健全度
新潟県であれば、いまから50年前に発生した新潟地震(昭和39年)で、その当時から駅舎を丸太杭で支えてきた新潟駅があり、現在も健全を保っている。現代では腐朽のメカニズムが解明されているので、地盤中に埋設された「木杭が腐る」というのは妥当ではない。
施工と管理
①丸太杭の品質管理
・丸太杭は設計の寸法を満足し、有害な腐朽や割れなどの欠損がないことを確認する。
・丸太杭は通常、末口が先削り、元口が頭部面取が施されており、先削り側を下向きにして地盤に打込むことになり。丸太杭に特有のテーパー効果は、支持力以上に発揮することが言われている。
・杭木は皮むきの丸太杭であるため、虫害や腐朽は容易に目視判断ができ、全面的に軽度の虫害または腐朽がある(腐朽度2)以下でも杭体として成り立つ。したがって、建築材のように高品質である必要はない。
②打込み施工時の安全管理
・作業ヤードは軟弱地盤である。そのため足場が悪く、作業時の転倒を防止するために、平たんに整形するとともに敷き鉄板などの養生が望ましい。
・丸太杭の鉛直度の確認は打込み作業を一旦停止して、直交する2方向から目視により行い、適宜補正しながら所定杭長に達するまで行う。
・杭体に対して破損を生じさせることとなるため、無理な打込み、曲がり調整、引きずり行為などは避ける。
積算単価
・基礎木杭設計指針 平成23年5月 (新潟県農地部)
・丸太杭工法を用いた軟弱地盤対策の設計・施工マニュアル 平成25年3月 (福井県木材利用研究会)
・小規模建築物基礎設計例 (日本建築学会)
・年次講演会概要集(土木学会)、研究発表講演集(地盤工学会)
・JSCE木材利用ライブラリ 国内の構造物基礎における木材利用事例と設計方法の変遷 平成24年3月(土木学会)
※農水省 土地改良積算基準より
配置計画
丸太杭を用いた地盤補強工法は、豊富な地域資源である国産材を利用することで、林業の活性化に貢献できます。
丸太杭打設による基礎地盤の補強工法(動画)
汎用バックホウにブレーカアタッチメントを取り付けた杭打ち工事。丸太杭(松杭)を建て込み、専用の杭打ちパットで先端部を1m程度圧入してから、ブレーカ打設工程に入る。
鉛直性、打ち止め、頭部管理等の施工管理を伴う。
室岡林業の丸太杭・基礎杭
丸太杭の導入事例
施工例01 宅地造成に係るボックスカルバートの基礎補強
工事種類 | 横断ボックスおよびL型擁壁の基礎補強工事 |
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施工時期 | 2016.5 |
工事内容 | 0.45バックホウ+大型ブレーカ(丸太杭専用パット)による杭打ち工事 |
製品 | 松杭18cm×5m |
施工例02 用水路付替に係るボックスカルバートの基礎補強
工事種類 | 用水路の基礎補強工事 |
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施工時期 | 2014.8 |
工事内容 | 0.45バックホウ+大型ブレーカ(丸太杭専用パット)による杭打ち工事 |
製品 | 松杭18cm×4m |
施工例03 農地区画整備に係るボックスカルバートの基礎補強
工事種類 | 農道横断暗渠の基礎補強工事 |
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施工時期 | 2015.2 |
工事内容 | 0.45バックホウ+大型ブレーカ(丸太杭専用パット)による杭打ち工事 |
製品 | 松杭15cm×6m 70本 打設 |
施工例04 農業用水路(大型三面水路)
工事種類 | 下水管路の基礎補強工事 |
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施工時期 | 2014.6 |
工事内容 | 0.7バックホウ+大型ブレーカ(丸太杭専用パット)による杭打ち工事 |
製品 | 松杭18cm×4m |
施工例05 商業施設コンテナ基礎工事
工事種類 | 複合商業施設新築工事 |
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施工時期 | 2016.2 |
工事内容 | 0.45バックホウ+大型ブレーカ(丸太杭専用パット)および杭つかみ機による杭打ち工事 |
製品 | 杉杭18cm×4m 78本×2工区 打設 |
よくあるご質問
- Q. 丸太杭のサイズ(末口径、杭長さ)はどのような種類がありますか?
- A. 杭径2cm毎、杭長は1mピッチが標準規格です。サイズ表もあります。規格、在庫数の確認などお問合せください。
- Q. 丸太杭の単価を教えてください。
- A. 杭の種類、本数、運搬や受渡方法などをよって価格は変わります。ご希望に合わせてお見積り致しますので、ご相談ください。
- Q. 杭打ち方法などの専門的な相談を行いたい。
- A. 地盤条件や建設環境、上部構造物などお伝えください。より適切な提案のため現場環境などを確認させていただくことも可能です。
- Q. 支持力の現場確認はできますか。
- A. 現場条件や杭支持力に応じた現場確認の方法を提案します。支持力の確認時間に手間取らず、ポータブルな試験装置でできる試験もあります。
- Q. 丸太杭は皮むき・皮剥ぎ丸太ですか?
- A. 弊社の丸太杭は全て皮むき丸太です。地盤との親和性もよく支持力を確実に発揮する為です。